にきびの原因
思春期にきびも大人にきびも、にきびができるプロセスは同じです。
①毛穴が詰まる→②皮脂が排出されない→③皮脂を餌にアクネ菌が繁殖→④皮膚に炎症を起こす
ということです。
ですから、毛穴を詰まらせる原因が、にきびができる原因となるわけです。
ではにきびの原因を、一つ一つ見ていきましょう。
・皮脂の過剰分泌
思春期には、成長期で皮脂線が発達し、皮脂分泌が活発に行われるため、その過剰な皮脂や古い角質などが、毛穴を詰まらせる主な原因になります。
その他、皮脂分泌が過剰になる原因は、ストレス、生理、食生活、乾燥などさまざまです。
・ストレス
就職や転職、結婚などの新生活のストレス、恋愛や人間関係のストレスなど、私たちはさまざまな外的要因のストレスを感じています。
強いストレスよって自律神経のバランスが崩れると、体内の交感神経が優位になり、心身ともに攻撃的な状態になります。
その攻撃的な状態が継続すると、比例して男性ホルモン分泌も高まり、皮脂の分泌が過剰になります。
・生理によるホルモンバランス
一般に女性は生理前ににきびが出来やすくなります。
それは生理周期によってホルモンバランスが変化し、皮脂分泌にも影響を及ぼすためです。
女性の体を支配する女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類あります。
排卵後から月経までの約2週間は、プロゲステロンの分泌が優位な状態になります。
プロゲステロンには、男性ホルモンと似たような作用があるため、プロゲステロンの分泌が増える生理前2週間の黄体期には肌が脂っぽくなるのです。
・ターンオーバー機能の低下
皮膚は大きく分けると、表側の表皮と、その下にある真皮に分けられます。
表皮は、角質層、顆粒層、有棘(ゆうきょく)層、基底層に分かれています。
最も表側にある角質は、通常、古くなったら垢として剥がれおち、ターンオーバーによって新しい角質になります。
しかし、加齢や食生活や睡眠不足などの原因によって、新陳代謝が衰え、ターンオーバーが正常に行われないと、古くなった角質が毛穴をふさぎ、皮脂を毛穴の中に閉じ込め、にきびとなります。
・スキンケア・コスメ・癖
毛穴を詰まらせる原因として、新陳代謝の低下などの内的要因以外にも、外的な要因も考えられます。
洗顔料、シャンプー、リンス、石鹸、ボディソープ、などの洗い残しも、毛穴を詰まらせることにつながります。
また、肌に合わない化粧品もにきびの原因になります。
さらに、頬杖をつく癖、髪の毛先が顔に当たって刺激になるなど、肌の表面への何らかの作用によって、汚れが毛穴を塞いだりします。
・睡眠不足
睡眠は、紫外線や乾燥でダメージを受けた肌を修復する時間です。
睡眠不足で肌ダメージが回復していなければ、肌機能は低下します。
ターンオーバーが正常に行われなかったり、脂分が多くなったりすると、にきびができやすくなります。
特に、「肌のゴールデンタイム」といわれる午後10時~午前2時に、深い睡眠(ノンレム睡眠)に入ると、成長ホルモンを大量に分泌することになるので、肌ダメージの回復にはとても重要だといわれています。
・乾燥
皮膚は乾燥を防ぐために、皮脂膜で覆われています。
皮膚に適切な水分があれば、皮脂の分泌は安定しています。
しかし、加齢による保湿能力の低下や紫外線の影響など、何らかの原因で皮膚が乾燥すれば、乾燥を防止しようと、皮脂が過剰に分泌されます。
ですから、オイリー肌の人だけでなく、乾燥肌の人でもにきびが出来るわけです。
また、乾燥することによって角質層が硬くなることで、毛穴が塞がれやすくなってしまいます。
これもまたにきびの原因となるのです。
・食生活
ポテトチップ、チョコレート、ジャンクフード・・・甘い食べ物や油物を食べると、血液中に糖質や脂肪が運ばれて皮脂線を刺激し、皮脂が大量に分泌されます。
不足するとにきびが出来やすい栄養素としてはビタミン類があります。
ビタミンB2には、細胞の再生や成長を促進する働きがあり、不足すると、にきびや肌荒れ、口内炎ができるなど、皮膚や粘膜に影響を与えます。
ビタミンB6は、皮脂分泌をコントロールする働きがあり、不足するとやはり、にきびや肌荒れ、貧血、口内炎、精神の不安定やけいれん、などが起こりやすくなります。
ビタミンAは、ホルモンの分泌量をコントロールします。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けるなど、肌の保湿や再生には欠かせません。
お酒や甘いものは、ビタミンが消費されてしまいます。
お酒は飲みすぎると肝機能が低下するために、栄養素を溜めておく力が弱り、結果としてビタミンが体内で足りない状況になります。
・その他
胃腸の調子が悪い人、便秘がちな人、血液循環の悪い人など、体の内側にトラブルを抱えている人はにきびができやすいです。