アクネ菌
アクネ菌(にきび菌)は、酸素に触れない皮脂腺の奥に生息している嫌気性の常在菌です。
常在菌とは、肌のバランスをコントロールし、正常に保つために必要とされる菌です。
その代表的な菌がブドウ球菌であり、アクネ菌は、ブドウ球菌同様、男女問わず皮膚に最も多く存在する細菌のひとつです。
アクネ菌は、肌を弱酸性に保って、他の病原菌の進入や繁殖を抑え、皮膚を保護しています。
皮脂を栄養源として、空気のないところで生息しています。
しかし、通常は肌に必要不可欠なアクネ菌も、毛穴が詰まって毛穴内に皮脂が溜まると、栄養源である皮脂を分解して増殖をはじめます。
詰まった毛穴内は嫌いな酸素が届かないため、アクネ菌が繁殖するには、最もよい場所になってくるわけです。
人の体は、細菌が増殖すると好中球(白血球の一種)が働き、菌の繁殖を抑制しようとします。
アクネ菌も同じで、増殖したアクネ菌を好中球が抑えようとします。
しかしその際に活性酸素が発生し、これが皮膚の炎症を引き起こし、赤く痛いにきびになると考えられています。
また、アクネ菌はポルフィリンという物質を生成しますが、そのポルフィリンは紫外線に反応して活性酸素を発生させる性質があります。
ですから、紫外線を浴びると、発生した活性酸素によって、さらににきびを悪化させることになります。
アクネ菌の増殖を抑制するには、まず第一に皮脂を詰まらせないことです。
毛穴の詰まりの原因となる、余分な皮脂や汚れを洗顔で除去することが大切です。
しかし、過剰な洗顔で、皮膚に必要な皮脂膜を取りすぎてしまうと、それを補おうと、さらに皮脂が多く分泌される恐れがあるため注意が必要です。